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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻11号

1977年11月発行

文献概要

特集 小児の臨床検査 Ⅰ.サンプリングの技術

G.汗

著者: 二宮恒夫1

所属機関: 1徳島大学小児科

ページ範囲:P.1185 - P.1186

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 汗の電解質濃度の測定は膵嚢腫性線維症の確定診断に重要である.電解質測定に十分な量の汗の採取は,従来,被検患児の腹部にガーゼを当て,湿度50%,温度32℃の高温室に1〜2時間入れるか,背中や四肢にガーゼを当て,その上をプラスチックバッグを覆うなどの方法1)で行われていた.しかし,これらの方法は,汗の採取に時間がかかること,体全体より発汗を促すため,脱水症に陥ること,膵嚢腫性線維症患児の場合は,急激な電解質の喪失により死亡する危険もあり,検査中は監視が必要であるなどの欠点がある2).その後,皮内にメタコリンやフルメサイドなどの副交感神経刺激剤を注射し局所で汗を採取する工夫もなされてきたが3),この方法も悪心,嘔吐,流涎,下痢などの全身的副作用の出現をみたり,被検患児に疼痛を与えるため,汗採取に非協力的にさせてしまうことが多い.すなわち,小児の汗の採取にあたっては,
(1)操作が簡単であること.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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