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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻11号

1977年11月発行

文献概要

特集 小児の臨床検査 Ⅶ.小児の正常値

小児の正常値

著者: 茂手木皓喜1

所属機関: 1東京都立駒込病院検査部

ページ範囲:P.1364 - P.1392

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 小児の正常値について紹介する前に,正常値という言葉の内容について考えてみたい.正常値というのはいかにあいまいに理解され,使用されているかは周知のところである.正常値というと何となく頭で理解されているようであるが,診療面で実際に利用する場合,いろいろ混乱を生じているようである.このような不都合なことは次のようなことから由来している.すなわち,臨床上健康であることと,統計的に算出した正常域との区別があいまいであること,正常値設定のために選定した集団のあいまいさ,測定方法の諸問題,正常と異常との区別の困難さ,その他いろいろ天然的,人工的,生理的な諸因子などがからんでいる.このような混乱を避けるため,正常値,正常な範囲(normal value,normal range)という言葉はやめて,一つの方法として参照値(reference value)を用いたほうが実際的であろうと言う人も多くなってきた.このreference値というのは,一定の方式に従った方法で得られた1個人またはグループからの数値という意味である.特に小児ではよく行われるように,何かの検査値を判定する場合,例えば同年,同身長,同体重の対照をとるということもこれに含まれる.reference値をだすには次のような細かい考慮が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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