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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻12号

1977年11月発行

文献概要

技術解説

GOTmの測定

著者: 大久保昭行1

所属機関: 1東京大学・中央検査部

ページ範囲:P.1424 - P.1431

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 心筋梗塞後数日間血清GOT活性が上昇することをLaDueら1)が1954年に報告して,疾病に伴う血清GOT活性値の変動が注目されるようになった.翌1955年にはWröblewskiら2)が肝炎の際にも血清GOT活性が上昇することを認めた.GOTは心筋・肝以外にも骨格筋・腎細胞に高い活性が認められる.しかし臓器に特異なアイソザイムはなく,血清中のGOTの由来臓器は臨床所見や他の検査データを総合しないと診断できない.
 1960年Fleisherら3)はイヌの心筋抽出液の濾紙電気泳動で易動度の異なる2種類のGOTアイソザイムの存在を認めた.この2種類のGOTアイソザイムのうち,陽極側に泳動するものは細胞上清分画(GOTs)に,陰極側に泳動するものはミトコンドリア(GOTm)に局在するものであることが,Boyd4),勝沼ら5),森野と和田6)によって証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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