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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻12号

1977年11月発行

文献概要

総説

顕微分光測光法

著者: 伊勢村卓司1 藤田晢也2

所属機関: 1京都府立医科大学臨床検査部血液研究室 2京都府立医科大学病理

ページ範囲:P.1439 - P.1448

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 顕微鏡下に認められる細胞1個の核DNA量,RNA量,タンパク量,Hb量などを手軽に,しかも正確に測定できたらというのは,常日ごろ顕微鏡ばかり覗いている者にとっては大きな夢の一つである.この夢を実現しようとして,Casperss-on(19361),19502))は紫外線分光測光機と顕微鏡を組み合わせて,顕微鏡下で個々の細胞の核酸量を測定することによって,核DNA量を推定することを試みた,これが顕微分光測光法の始まりである.細胞内に,どのような物質が,どのような形で含有されているかを調べるのが細胞組織化学で,その量をin situで測定するために生まれたのが顕微分光測光法であると言える.この方法は,その後,我が国では直良と柴谷3)による光学系の改良,妹尾,内海ら4)による装置の改良が加えられ,実用化への道を歩み始めた.これら諸先達の努力によって,この方法は単に細胞内の物質の量を測定するだけでなく,これを細胞の動的状態の解析に応用できる見通しが明らかにされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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