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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻13号

1977年12月発行

文献概要

技術解説

聴力検査

著者: 渡辺勈1 阿瀬雄治1

所属機関: 1東京医科歯科大学・耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1549 - P.1555

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聴力検査とは
 聴力検査の目的は,正常な聴力の人と比べて被検者の聴力損失がどの程度にあるかをみることと,正常でないとなれば,その障害は聴覚経路のどの部位にあるかを診断することにある.この二つのことが判定できた時点で医学的な治療の方針が確立される.
 聴力検査は,音という物理的刺激を被検者に与えたときに,その音が聞こえたと被検者が判断し,その意志を検者に答えたことによる結果をもって検査成績が表示される.すなわち,音という刺激(Stimulus;S)を受けて,それに対する反応(Response;R)によって検査が成り立つ.このように生理的,心理的背景を持った検査であるゆえに応答ができない人,応答する意志のない人,聞こえても聴こえないふりをする人には検査が成り立たない.こうし(検査を受ける人の自覚をもって行う方法を自覚的検査法と言う.これに対して,乳幼児などのように応答ができない人に行う検査法は種々考案され,実用化されており,例えば音の刺激に対する大脳誘発電位記録をもって判定する方法などを他覚的検査法と言う.しかしながら,標準となるのはあくまでも自覚的検査法によって得られる成績である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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