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レーザーの臨床検査への応用
著者: 西坂剛1
所属機関: 1東京大学医用電子研究施設
ページ範囲:P.1557 - P.1564
文献購入ページに移動 レーザー(LASER)とは,Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字から合成された言葉で,"輻射光の誘導放出による光の増幅"という意味である.レーザーの誕生は1917年アインシュタインの誘導放出に関する予言や,この予言に基づくマイクロ波の増幅,メーザー(MASER)に関する研究が基本となり,1953年に至りロシアのBasov,Prokhorov,アメリカのTownes,Gordon,Zeiger及びカナダのWeberが,メーザーと同様に誘導放出による光の増幅の考えを互いに独立して提唱したときに始まる.そして7年後の1960年,ヒューズ航空会社のMai-man1)は,最初のレーザー(ルビーレーザー)発振に成功した.翌年ベル社のJavan2)はHe-Neレーザー,翌々年にはSnitzerによるガラスレーザーと次々に新しいレーザーの発振に成功した.ルビーレーザーの発振成功と同時に,レーザーの応用に関する研究が始まり,1964年には第1回のシンポジウムがアメリカにおいて持たれた3).現在では,工学,化学,光学,原子物理,エレクトロニクスなどの基礎研究や工業加工,通信,公害計測,情報処理,医学あるいは芸術の分野へと,その応用は拡大している.
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