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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻4号

1977年04月発行

文献概要

総説

酵素と結合した免疫グロブリン

著者: 菅野剛史1

所属機関: 1慶応義塾大学・中央臨床検査部臨床化学

ページ範囲:P.381 - P.387

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 血清中において酵素が免疫グロブリンと複合体を形成し高分子の酵素として見出される現象に関する報告は,1964年のWildingら1)によるアミラーゼとγグロブリンとの結合の例が初めてであろう.この現象はアミラーゼにおいては,マクロアミラーゼ血症としてアミラーゼの異常という観点から検索がなされると同時に,その結合高分子成分についてもその多様性が論じられるようになり2),免疫グロブリン以外の結合高分子の可能性が示されてくる.
 一方,LDHにおいては1967年にGanrot3)がLDHアイソエンザイム分画の異常パターンとしてIgAとの結合例を報告して以来,この初めての症例がLupoid cirrhosis (ルポイド肝硬変)であったということで自己抗体の可能性が初めから考えられ,Biewenga4),Nagamine5),井本ら6),菅野ら7)によって多くのIgA,IgG結合例が報告され,かつ自己免疫性疾患との関連について論じられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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