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リンパ球のCytotoxic activityの検査法
著者: 安元公正1 真鍋英夫1
所属機関: 1国立病院九州がんセンター
ページ範囲:P.826 - P.830
文献購入ページに移動 癌に対して生体が抵抗性を獲得しうることが,多くの実験腫瘍について確認され,この抵抗性獲得の機序は免疫学的機作に基づくと考えられている.ヒト腫瘍の場合にも同様の機作に基づく宿主抵抗性が考えられており,その存在を示す報告は枚挙にいとまがない1〜5).
腫瘍に対する免疫反応のうち生体にとって有利に働くのは,多くの場合細胞性免疫と考えられ,液性免疫は時として,細胞性免疫反応を阻止すると言われる(図1).そこで,担癌患者の細胞性免疫能を知ることは,寄主抵抗性の度合を知るうえで,重要な意義を持っているのである.一般に,担癌患者の細胞性免疫能を検出する方法として,種々の抗原に対する遅延型皮膚反応の検出(例えばツベルクリン反応),試験管内でのphytohe-magglutinin (PHA)などのmitogenに対する患者リンパ球の反応性の測定,MIF活性の測定,腫瘍細胞に対するリンパ球の細胞障害性の測定などがある.このような方法の中で,腫瘍細胞に対する細胞障害性の測定は,他の方法に比べて腫瘍に対する細胞性免疫という観点から,より腫瘍細胞に対して特異的な方法と考えられている.
腫瘍に対する免疫反応のうち生体にとって有利に働くのは,多くの場合細胞性免疫と考えられ,液性免疫は時として,細胞性免疫反応を阻止すると言われる(図1).そこで,担癌患者の細胞性免疫能を知ることは,寄主抵抗性の度合を知るうえで,重要な意義を持っているのである.一般に,担癌患者の細胞性免疫能を検出する方法として,種々の抗原に対する遅延型皮膚反応の検出(例えばツベルクリン反応),試験管内でのphytohe-magglutinin (PHA)などのmitogenに対する患者リンパ球の反応性の測定,MIF活性の測定,腫瘍細胞に対するリンパ球の細胞障害性の測定などがある.このような方法の中で,腫瘍細胞に対する細胞障害性の測定は,他の方法に比べて腫瘍に対する細胞性免疫という観点から,より腫瘍細胞に対して特異的な方法と考えられている.
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