文献詳細
文献概要
新しい神経・筋機能検査・2
聴性脳幹反応—聴性誘発反応の早期成分
著者: 加我君孝1 高橋邦丕2 八木聡明1 鈴木淳一1
所属機関: 1帝京大学・耳鼻咽喉科 2東京労災病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.873 - P.881
文献購入ページに移動AERは大脳誘発反応と考えられ,刺激の種類を異にする視覚誘発反応(VER),体性知覚誘発反応(SER)と反応潜時も波形も大体類似していることから,刺激そのものは,それぞれの末梢感覚装置を介するが,反応そのものは非特異的であると考えるのが一般的である.AERは臨床的には,主に乳幼児,脳神経疾患症例における他覚的聴力検査として使われてきた.ところが睡眠の深度に影響され反応の判読が困難となったり,反応の再現性に欠ける点があり,聴力の域値の推定や,聴神経路の中枢での障害部位の診断には十分信頼に足るものではない.そのために応用範囲や研究者も限られていた.しかし,BSRは以上の欠点を克服する長所がいくつかある.
掲載誌情報