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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻8号

1977年08月発行

文献概要

新しいキットの紹介

CPKアイソエンザイムの分離測定

著者: 岡部紘明1 伊藤繁子1 提坂和代1 野間昭夫1 岩崎勤2 松下哲2 蔵本築2

所属機関: 1東京都養育院付属病院研究検査部 2東京都養育院付属病院内科

ページ範囲:P.894 - P.897

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緒言
 クレアチンホスフォキナーゼ(CPK)は骨格筋,心筋,平滑筋及び脳に分布し,血清中のCPK活性は進行性筋ジストロフィー,多発性筋炎その他の筋肉疾患,心筋梗塞発作後1),脳血管障害の急性期などに上昇し,また筋肉内注射によっても活性の上昇が認められる2).このように活性測定は臓器診断的特異性という点で十分ではないが,近年CPKアイソエンザイムの分離測定が可能になってきたので,特に心筋梗塞の際の有力な診断法として用いられてきている.血清中には主として3つのアイソエンザイムが知られていて,電気泳動上アルブミンとほぼ同じ移動度を示すBB (脳型),γ-グロブリンとほぼ同じ移動度のMM (筋型),また両者の中間位でβ-グロブリンとほぼ同じ態度を示すMB (心筋型)である.これらのアイソエンザイムの分離法としては電気泳動による方法があるが3),これは装置,時間及び定量性という面で欠点を有している.これに対しイオン交換樹脂による分離法が開発され4,5),これは特別な装置を必要とせず,簡便な方法であるが,希釈されるので,分離後の活性測定に問題があった.今回イオン交換樹脂による分離後の活性測定法に改良を加えた試薬を取り入れたキット(藤沢メディカルサプライ,Worthington社製)を用いて,CPKアイソエンザイムの分離測定の検討を試みたのでその結果を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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