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血小板粘着能測定管を用いた血小板粘着能の測定
著者: 木村潔1 姫井紀美子1 中尾初江1 中村恵子1 本郷真里1 横溝俊子1
所属機関: 1倉敷中央病院中央検査部
ページ範囲:P.898 - P.900
文献購入ページに移動血小板は血管の内膜が正常で生理的な場合には付着しないが,血管内膜に何らかの傷害があるとその部分に付着して,いわゆる粘着(adhesion)という現象が起こる.特に血管が破れて結締織のコラーゲン線維やmi-crofibrilが露出するとこの現象は著明であって,このような血小板の粘着や凝集によって血小板血栓ができ,破れた血管を応急的に補修する.すなわち,血小板は止血機序における止血血栓の形成に主導的な役割を演ずるものであるが,更に血栓症の発生ないし進展にも密接に関与している.したがって,血小板粘着能が低下ないし欠損している場合には出血傾向が,亢進している場合には血栓傾向がもたらされるのである.出血傾向が認められる患者,特に血小板数が正常で出血時間が延長するような場合の診断には,血小板粘着能の測定は極めて有意義な資料を提供する.
血小板粘着能測定には種々の方法があるが,今日広く用いられているのはガラスビーズ管に血液を通過させるSalzman法1)ないしその変法である.安永ら2,3)は,ガラスビーズ法における測定上の問題点を検討し,Salz-man法を改良し,自動血液吸引装置によってガラスビーズ管の血液通過速度を一定にした血小板粘着能測定装置を作製しており,我々は今回これを用いて以下の検討を行った.
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