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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻9号

1977年09月発行

文献概要

技術解説

空中浮遊細菌の測定法

著者: 古橋正吉1

所属機関: 1東京医科歯科大学・手術部

ページ範囲:P.941 - P.947

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 空中浮遊菌測定の目的は,一般に細菌,カビ類による汚染の実態を知り微生物汚染管理と結びつけることにある.微生物汚染の特徴は,細菌,カビ以外にリケッチア,ウイルス,原生動物など多種類が対象で,しかもこれらは繁殖,成長し,生体以外の厳しい条件,環境下で生存したり,熱,消毒薬に対し強い抵抗性を示すものもある.
 空中浮遊菌の測定は経済的理由よりも汚染度に応じて方法を選択すべきで,汚染物質の分布場所,室内での仕事,業務上要求される事項に基づいて汚染度を評価するのが常である.現在知られている測定法は捕集機構上から分類すると固体表面への衝突付着,液体への衝突捕集,濾過による捕集などの方法がある.これらの測定法には高濃度の微生物捕集に適するもの,適さないもの,粒子径の大きなものしか捕集できないもの,微生物の塊りをばらばらにして粒子塊の個数よりもむしろ微生物の総個数が求められる方法などがある.それぞれが特徴を持つが,どの測定法が最も信頼でき優れているのかについては一概には言えない.私どもは長い間,落下細菌法を利用して汚染度を評価し細菌数の最大数と菌種から汚染管理に役立たせてきた.しかし最近ではスリットサンプラ法を併用している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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