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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻10号

1978年10月発行

文献概要

技術解説

Cyclic AMPの測定

著者: 宮地幸隆1

所属機関: 1広島大学・第3内科

ページ範囲:P.1053 - P.1058

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 CAMPはペプチドホルモンのセカンドメッセンジャーとしてのみならず細胞の分化,増殖及び分泌機構に重要な役割を果たしていることが示されている.組織内に微量にしか存在しないCAMPを測定するためには,enzymic cycling法1),luminescence法2),enzymatic radioisotopic dis-placement法3)などが使用されていた.しかしいずれも操作が繁雑であり,まずCAMPを抽出し,他のヌクレオチドより分離精製した後に測定する必要があり,また測定系の感度,精度も十分ではなかった.1969年に発表されたCAMPdependent protein kinaseをCAMPの結合タンパクとして使用するcompetitive protein binding法4)は,上述の測定法と比較して感度,再現性,操作法の簡便さなど優れているが,なお特異性に,したがってCAMPの抽出分離の必要及び感度に更に改善の余地が残されていた.
 同じころSteinerら5)により開発されたラジオイムノアッセイ法は特異性,感度,精度も十分に満足されるものであり,現在広く用いられている.ラジオイムノアッセイ法は最近注目されてきたCGMPに対してほぼ同様に応用できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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