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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻10号

1978年10月発行

文献概要

新しい末梢脈管機能検査法・4

リンパ系の生理と検査

著者: 入沢宏1

所属機関: 1広島大学・第1生理

ページ範囲:P.1113 - P.1116

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 心臓から駆出された血液は毛細血管に分岐し血流速度は減少し,再び合流して静脈に至り,心房に還流する.末梢の微小血管野には毛細血管のほかに他の管系,すなわち毛細リンパ管系がある.毛細血管から透過した水や大きな分子の物質は,一部は再び血管に吸収されるが,他は毛細リンパ管系へと吸収される.血管壁から透過する水は毎日約20lに達するが,そのうち16〜18lが血中に再吸収され,残りの2〜4lが毛細リンパ管へと吸収される.体重1kgについて毎時1〜1.5mlのリンパが血液からリンパ液に移行する.リンパのタンパク濃度は約4%であるから,1日中では65〜100gのタンパク質がリンパから血中に還流する1).この系を通ってのタンパク質の還流が妨げられると,生体は1日足らずのうちで低タンパク血症を起こすこととなる.リンパ管系は従来,血管系とは別箇に扱われていたが,体液循環系における一つの系として理解しなければならない.
 血管の分布していない上皮組織,角膜,軟骨組織また血管は存在していても骨髄,肺胞,脾髄などには毛細リンパ管の分布は認められていない.また中枢神経系にも毛細リンパ管が知られていない.一方,皮膚,胃腸消化管系,尿生殖器系,呼吸器系には極めて豊富な毛細リンパ管網がある2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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