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研究
Counter immunoelectrophoresis法によるHp型判定の検討
著者: 吉岡尚文1 嶋田ひとみ1 高橋建吉1
所属機関: 1秋田大学法医学
ページ範囲:P.1120 - P.1123
文献購入ページに移動はじめに
近年,血清中のハプトグロビン(Hp)をはじめとするグロブリン亜分画の定量が諸種疾患について盛んに行われてきており,Hpは肝疾患や溶血性疾患で減少ないし消失し,逆に悪性腫瘍や炎症性疾患では増加することが知られている1).Hpは遺伝的に1-1型,2-1型,2-2型の3型に分類され2),定量に際しては検量線より求めたタンパク量にそれぞれの型に相当する係数を乗じて算出する必要がある.したがってHpを定量する場合には,あらかじめHp型を決定しておく必要がある.Hp型の判定はディスク電気泳動あるいはデンプンゲル電気泳動後ベンチジン染色を施して行ってきたが,ベンチジンの発癌性が問題になって以来,入手が困難となり,在庫を倹約して使用したり,あるいは他の染色剤を用いたり,免疫電気泳動法によって型判定を行っているのが現状である.
今回私たちはcounter immunoelectrophoresis法(CIEP法)によりHp型の判定を行い,ディスク電気泳動,ベンチジン染色3)による結果と比較したところ,本CIEP法にても型判定は可能であり,かつ手軽であるため,十分実用性があると考えられたのでその方法について報告する.
近年,血清中のハプトグロビン(Hp)をはじめとするグロブリン亜分画の定量が諸種疾患について盛んに行われてきており,Hpは肝疾患や溶血性疾患で減少ないし消失し,逆に悪性腫瘍や炎症性疾患では増加することが知られている1).Hpは遺伝的に1-1型,2-1型,2-2型の3型に分類され2),定量に際しては検量線より求めたタンパク量にそれぞれの型に相当する係数を乗じて算出する必要がある.したがってHpを定量する場合には,あらかじめHp型を決定しておく必要がある.Hp型の判定はディスク電気泳動あるいはデンプンゲル電気泳動後ベンチジン染色を施して行ってきたが,ベンチジンの発癌性が問題になって以来,入手が困難となり,在庫を倹約して使用したり,あるいは他の染色剤を用いたり,免疫電気泳動法によって型判定を行っているのが現状である.
今回私たちはcounter immunoelectrophoresis法(CIEP法)によりHp型の判定を行い,ディスク電気泳動,ベンチジン染色3)による結果と比較したところ,本CIEP法にても型判定は可能であり,かつ手軽であるため,十分実用性があると考えられたのでその方法について報告する.
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