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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻10号

1978年10月発行

文献概要

研究

血清保存中における抗体活性の変動

著者: 松井博範1 神保芳郎1 井上裕正1

所属機関: 1愛知県衛生研究所

ページ範囲:P.1124 - P.1126

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はじめに
 免疫血清学的検査を行うには新鮮な血清を材料にすることが望ましいが,保存した血清を用いなければならない場合もある.このようなときには血清中に含まれる免疫グロブリン量,あるいは抗体価などについて保存期間中における変動をあらかじめ知っていないと測定値の判読は極めて困難であろう.
 一般的に,血清を保存するには冷蔵庫内に静置するか,あるいは冷凍庫内に凍結保存するように言われているが1〜3),保存中における血清成分の変化,特に抗体活性の変化についての具体的な測定値は記載されていない.そこで我々は,血清を各種温度に保存した場合と凍結融解を繰り返した場合について,免疫グロブリン量(IgM, IgG)及び梅毒血球凝集反応の抗体価を指標として血清の抗体活性の変動を観察したところ,ある程度の期間における保存と10回までの凍結融解では抗体活性に変動は認められなかったのでここに報告し,参考に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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