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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻11号

1978年11月発行

文献概要

特集 酵素による臨床化学分析 定量法各論

8.クレアチニン

著者: 鶴大典1

所属機関: 1長崎大学薬学部

ページ範囲:P.1331 - P.1338

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はじめに
 アルカリ性ピクリン酸を用いるJaffe法は操作が簡単で,発色度も比較的大きいという特徴から,現在クレアチニンの測定に広く利用されている.しかしこの発色はクレアチニンに特異的な反応でないという欠点がある.またクレアチニンの血中濃度をこの方法で測定する場合,血清を除タンパク処理する必要がある.この欠点を除くためにまず考えられるのは,特異性の高い酵素を利用する分析法であり,既に1937年Millerらは血清クレアチニンを正確に測定するために微生物の生産する酵素を導入することを試みている.
 筆者らは血清及び尿のクレアチニンとクレアチンを酵素的に分別定量することを意図して,数年前より微生物酵素の研究を進めてきたが,最近民間企業の協力を得て一応の分析条件を設定し,酵素法用のキットを調製しうるまでに至ったので,以下関与する酵素の概略と我々の方法で得た結果を中心にして酵素分析法の実際について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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