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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻12号

1978年11月発行

文献概要

新しいキットの紹介

レシチンとその反応を応用したCRP検出試薬の検討

著者: 河井明夫1 島村幸夫1 松田重三2

所属機関: 1東京クリニカルラボラトリー 2帝京大学第1内科

ページ範囲:P.1465 - P.1468

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はじめに
 C反応性タンパク(C-reactive protein,以下CRP)は,最近では健康者の血漿中にも微量に存在する正常血漿タンパク成分として認識されるようになっているが1〜3),炎症や組織崩壊性病変に伴って著増する,急性相反応性タンパクの一種でもある.このCRPの消長は疾患の経過,予後,治療効果などをよく反映しており,その臨床的意義は極めて高い4,5)
 従来,CRPスクリーニング法としては沈降反応を応用した毛細管法が広く用いられてきたが,この方法は判定までに長時間を要することが最大の欠点であった.このような欠点を補い,しかもベッドサイドテストとしての有用性を具備したCRP検出用試薬キット(CRPスライド—‘栄研’)が最近開発された.この試薬には,CRPとその抗血清との抗原抗体反応を応用した,従来のスライド法とは異なる原理が採用されている.すなわちCRPは,レシチンのコリンホスフェート残基と特異的な親和性を有することが明らかにされているが6,7),これとCRPとを反応させてCRPの有無を凝集反応によって検査する方法である8).今回我々は,この試薬キットを使用する機会を得,その有用性について若干の検討を行ったので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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