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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻13号

1978年12月発行

文献概要

カラーグラフ

中枢神経系の染色—主として銀染色について

著者: 鬼頭つやこ1 松下正明1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経病理部門

ページ範囲:P.1498 - P.1499

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 神経病理学の領域で最も頻繁に使われている染色法は,H・E染色のほかに,Nissl染色,ルクソールファスト青(LFB)染色(Klüber-Barrera (KB)染色),Bodian染色,Holzer染色,リンタングステン酸ヘマトキシリン染色(PTAH染色)などである.各々,神経細胞の胞体と核,髄鞘,軸索,グリア線維(線維性膠症)を染め出す染色法である.これらの染色での注意点は,Nissl染色ではホルマリン固定期間をできるだけ短くしてアルコール固定をすることである.ホルマリンに長く固定された脳の場合は,脱パラフィン後,96%アルコール中で,37℃恒温器で1晩脱脂すると良い結果が得られる.LFBによるKB染色では炭酸リチウムでの分別過程,Bodian染色では脱パラフィン後,70〜95%アルコールで4〜7日間媒染することが重要である.Holzer染色ではアニリン,クロロホルム分別過程と気温,湿度などの条件が大切である.またPTAH染色ではホルマリン固定材料の場合は水銀の前処置をすると染色性が良い.これらのことを注意すれば一定の好成績が得られるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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