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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻13号

1978年12月発行

文献概要

技術解説

百日咳菌の分離同定法

著者: 藪内英子1 伊藤富由1 山中喜代治2 辻野芳弘3

所属機関: 1関西医科大学・微生物 2大手前病院中央検査部細菌 3大手前病院小児科

ページ範囲:P.1514 - P.1522

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 百日咳は特有の痙咳発作と末梢血の白血球,特にリンパ球の絶対数増加から臨床的に診断される1).けれども感染症の確定診断が病原微生物の検出同定によって達成されることは言うまでもない.特にカタル期の患者,臨床症状のそろわない非定型患者,患児の周囲の成人症例の診断には菌の検出が不可欠である.これらの症例からBorde-tella Pertussisを検出同定し,そねに対応して適切な処置をとることができれば,その症例の同胞,家族,友人らの感染を防ぐのに役立つことは言うまでもない2).検出菌株の菌型(抗原型),検川菌株に対する患者血清の抗体価測定など百日咳の疫学調査も可能となるし,はなはだ特徴のある臨床所見を示すと考えられてきた百日咳という伝染病について,臨床細菌学の立揚から更に深く考察する手掛かりを得ることもできるだろう.
 B.pertussisの分離培養は難しいと言われる.その理由として次のような点を挙げることができるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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