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総説
血液凝固の生化学
著者: 諏合輝子1 岩永貞昭1
所属機関: 1大阪大学蛋白質研究所
ページ範囲:P.1525 - P.1531
文献購入ページに移動 血液は常に流動性を保ちながら生体内を循環しているが,いったん組織に損傷が起こると流動性が失われるとともにゲル化する.こうした止血の仕組みには,血中の有形成分が働く部分と,有形成分を除いたいわゆる血漿成分が働く部分があって,一般に前者を一次止血,後者を二次止血と呼んでいる.血小板の傷口付近への粘着と凝集,リン脂質の放出などは,一次止血に欠かせない反応であり,また二次止血を誘起する引きがねともなっている.二次止血の過程はいわゆる血液凝固に当たる部分であるが,本稿では,ヒトの凝固機転を中心に反応に関与する凝固因子の構造と機能などを概説する.なお,紙面の関係で,各因子の生化学的諸性質についてはほとんど触れないが,末尾の文献で補っていただきたい1〜13).
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