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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻13号

1978年12月発行

文献概要

研究

マイクロタイターを応用した迅速腸内細菌同定検査

著者: 狩山英之1

所属機関: 1大阪府立身体障害者福祉センター附属病院検査室

ページ範囲:P.1569 - P.1574

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緒言
 臨床細菌検査において分離菌の迅速かつ適確な固定は,その疾患の診断,治療上極めて重要である.その中でも検出頻度の高い腸内細菌の同定法は精度の良い方法1)が既に確立されているが,最近の検査室の状態2)では,この方法を用いる場合の煩雑性は著しく増してきている.そのため培地作製の手間をはぶくセット化された簡易培地が数多く市販されてきている.これらは手技の簡素化のほかに,菌種の決定にコード化された数値の利用などの特色を持ち,検査室への普及も急速である.しかし,これら簡易培地を従来からの方法に代えて用いたとしても,成績を報告するまでの時間短縮は望めない.
 今回,腸内細菌同定の迅速化を目的に,血清検査もしくはウイルス検査領域で多用されているマイクロタイター(以下MTと略す)を応用する方法の検討を行った.初めに標準菌株(Bact-chek)3)5株を用いて測定方法の条件設定を検討し,その後,当検査室の保存菌株200株を用いて測定条件のよりいっそうの確立化を目指した.その結果,分離平板上に形成する1集落の菌量で検査ができ,4〜5時間程度の培養で結果が得られる迅速性と,既に報告の感受性テスト4)(MTを応用した定性試験)との測定方法の統一性,そして同定検査に使用の菌浮遊液を感受性テストにも共用できる簡便性などが判明したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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