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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻5号

1978年05月発行

文献概要

カラーグラフ

解説

著者: 赤木正志1

所属機関: 1八尾市立病院皮膚科

ページ範囲:P.470 - P.470

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 白癬はミズムシ,タムシ,インキンタムシ,シラクモなど多くの俗称を持っているが,このような表現には民族のいかんにかかわらず人間の哀歓を取り混ぜた感情が込められている.英語の一般名はtineaであるがring-worm (輪・虫)という別名があり,足のミズムシはathlete's foot(運動家の足)と言われる.頑癬(図2)を意味するjockey itch (騎手のカイカイ)もサドルの当たる陰股部の白癬の特徴を言い得て妙である.韓国語では무〓(ム・ジョム.虫・斑)と言われるが,どこの国でもきらいなものは虫のようである.いずれにしてもこれらの俗称には白癬の特徴をよく表現しているものが多い.
 図1は中心性治癒を特徴とする体部白癬である.通常乳幼児の白癬はまれであるが,このような患児の周辺には母親のような成人の白癬が存在するものである.図2は頑癬である.一見湿疹様を呈するが症例によっては中心性治癒がいっそう明確なものもあり,また潮紅を伴わない落屑型のものもある.掌蹠に見られる汗疱状白癬の膿疱水疱や爪の白癬では,またそれぞれ異なった臨床像を呈するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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