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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻6号

1978年06月発行

文献概要

技術解説 コレラ流行時の細菌検査

1.コレラ菌の検査

著者: 小寺健一1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究会臨床検査部

ページ範囲:P.586 - P.591

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 忘れられていた検疫伝染病のコレラは,昨年和歌山県有田市に集団発生するに及び,身近な伝染病となった.コレラの我が国への進入は,海外旅行者の増大に伴って,旅行先で感染し保菌者の状態で入国する者が多くなるものと考えられる.
 現在,多くの国で発生しているエルトールコレラはアジアコレラに比べて,症状は軽症または無症状のことが多い.典型的な症状は発熱がなく,激しい下痢"いわゆる米のとぎ汁様"または淡黄褐色の水様性の下痢,嘔吐を伴い重症な脱水状態に陥る.通常,患者が1名発見されれば,その周辺に軽症者または健康保菌者が潜在している可能性が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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