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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻6号

1978年06月発行

文献概要

技術解説 コレラ流行時の細菌検査

2.カッパ型ファージ検査法

著者: 神中寛1

所属機関: 1防衛医科大学校・細菌

ページ範囲:P.592 - P.596

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アジアコレラ菌とエルトールコレラ菌
コレラ菌(Vibrio cholerae serotype O−1)がそのO抗原の性質に応じて,稲葉,小川,彦島の三つのサブタイプ(旧来の型別方式ではこれらを単に血清型(serotype)と言う)に分かれることは,周知の事実である.一方その生物学的性状の違いによっては,生物型(biotype)を分かつことができるが,ここで問題になるのはアジア(古典)コレラ菌(biotype cholerae;Asiatic or classical cholera vibrio)とエルトールコレラ菌(biotype el tor;El Tor cholera vibrio)の二つである(表1).BergeyのManual第8版ではこのほかproteusとalbensisの二つを挙げているが,前者は事実上問題となるような流行の原因になったことはなく(1884年,ボンでこの菌が分離された小流行が知られているのみ),後者は水棲細菌で性状が違い過ぎ,V.choleraeの生物型とするかどうかさえ問題なので,ここでは触れない.
 さてエルトールコレラ菌は1905年,Gotschlich1)によってシナイ半島のEl Tor検疫キャンプにおいて,赤痢様の症状で死んだ回教徒の巡礼数人から初めて分離されたためにこの名がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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