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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻6号

1978年06月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・18

IgG型M-タンパクの示すASO特異性

著者: 河合忠1

所属機関: 1自治医科大学・臨床病理学

ページ範囲:P.630 - P.635

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はじめに
 ASO,すなわち抗ストレプトリジンOは溶レン菌の菌体外毒素の一つであるストレプトリジンO (SLO)に対する抗体である.ASOは,溶レン菌の感染が始まってから7〜10日ころに上昇し始め,2〜5週後には最高値に達し,数週間で徐々に低下してくる1)
 ASOを検出する方法には,①毒素中和阻止反応を利用したRanz-Randall法と,②受身凝集反応を利用した方法とがある,すなわち,前者はASOの毒素中和活性を検査しており,後者ではASOがSLOというタンパク抗原と反応する沈降素活性を検査していることになる.このように異なった検出原理を用いたASO検査法が日常臨床検査に応用されており,時に両法の間で測定値が食い違うことが知られている.検出原理が違っていれば,測定値も違ってくるのが当然である,と言ってしまえばそれまでである.例えば,受身凝集法ではIgM抗体が反応しやすく,Ranz-Randall法では主としてIgG抗体が反応することが証明されているし,IgM抗体のほうが免疫後早期に出現することも明らかである(図1).しかし,抗体を定量するのに異なった原理を使った方法を広く採用している検査はほかにない.ここに,これから述べるASO測定に関する興味ある現象が発見されたゆえんがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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