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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻7号

1978年07月発行

文献概要

技術解説

抗血清の作り方

著者: 臼井美津子1 菅野恒博1 松橋直1

所属機関: 1東京大学医科学研究所アレルギー学研究部

ページ範囲:P.703 - P.712

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 ある抗原を注射された動物は,生体防御の一環として種々の免疫反応をもって応答する.投与された抗原に対して特異的な抗体を産生するのもその一つである.そして私どもは,動物が産生してくれた抗体を利用して,種々の物質の検出,同定及び定量を行い,あるいは特定の細胞を殺したり機能を抑えたりして免疫応答の基礎を探っている.これらの実験において最も重要なことは抗血清の特異性であって,どのようにして特異性の高い抗体を動物に作らせるかという点が,抗血清作りの課題である.
 抗原による刺激から抗体を産生するに至るまでには,種々の細胞,細胞からの液性因子などの関与する複雑な反応が行われるが,それらの機序は生体というblack boxの中に秘められていて,その全容は明らかにされていない.投与する抗原の量,性状,形態,投与の経路,回数,採血までの期間等々,種々の因子により結果はかなり影響されているはずである.しかしこれらに関する知見が乏しいので,特にウサギ,ヤギなどの中動物では系統的な基礎実験を行うことの困難さもあって,この条件で行うのが最も良いと確信を持てるようにはなっていない.多くの先人たちの経験の集積のうえに抗原を注射し,採血をしている現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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