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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻7号

1978年07月発行

文献概要

技術解説

凝固因子の免疫学的測定法

著者: 浅井紀一1

所属機関: 1名古屋大学,検査部

ページ範囲:P.713 - P.721

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 血液凝固因子はタンパクを主とする高分子物質の特性として免疫原性を有し良き抗原であるので,それらの非経口的投与により,動物に抗体を生成せしめるほか,ヒトにも輸血抗体や自然抗体を発生せしめる.これらの異種・同種抗体はタンパク抗原の常として沈降素を主とするものであり,したがって沈降反応による各種測定法や,その生物学的活性阻止能の検出法による凝固因子の免疫学的測定が可能である.
 凝固因子の抗血清が研究上使用されたのは1950年代後半で,Halickら(1956)やSchwickら(1959)のプロトロンビン抗体,Richard (1956),Shanbergら(1957)の第Ⅷ因子抗体の実験に始まり,他方臨床例ではFantle (1956)の血友病Bにおける第Ⅸ因子抗体の発見と,それを用いた中和法による後の分子異常症の検出,Ménaché(1963)の異常フィブリノゲン血症Paris Iの抗フィブリノゲン血清による免疫学的裏付けに始まる.しかし,これらの初期の抗血清は凝固因子精製の技術的困難さから,単一因子に対する特異性に優れず,成績の解釈が困難なことが多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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