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研究
カミソリ刃を用いた出血時間の測定法
著者: 本多信治1 鈴木孝雄1 茂田士郎1
所属機関: 1福島県立医科大学中央臨床検査部
ページ範囲:P.773 - P.776
文献購入ページに移動出血時間の測定は,出血性素因検査の一つとして止血機構の異常を知るために重要である.現在我が国では,手技的にも比較的簡単なDuke法が日常の出血性素因検査法として広く行われている.しかしDuke法による出血時間の測定は,耳朶皮膚を穿刺して毛細血管に損傷を与え,湧出する血液が自然に止血するまでの時間を測定するために,手技的な問題として耳朶穿刺に使用する器具の相違,耳朶穿刺の深さ,特に皮膚穿刺に用いた器具刃のの鋭利さの程度,すなわち"切れ味"が出血時間の長短に大きな影響を与えると思われる.
著者らは,現在感染防止のために普及している市販ランセット(ディスポーザブル)に代わりフェザーカミソリの刃の一角を一定の角度をもたせて切断し,刃先支持器で固定したものを試作して,健常者,各種疾患特に出血性素因のある症例について出血時間の測定を行った.
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