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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻7号

1978年07月発行

文献概要

編集者への手紙

簡便な髄液細胞採取方法(その2)

著者: 津田芳見1 二宮恒夫1 宮尾益英1

所属機関: 1徳島大学小児科

ページ範囲:P.781 - P.781

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 髄液中の細胞組成を調べることは,髄膜炎の鑑別診断に重要なことは言うまでもありません.最近我々は,他院の症例でありますが,広東住血線虫による好酸球性髄膜炎を経験しましたが,それに伴う簡便な髄液細胞採取法を考案しましたので報告します.
 入院時,髄液細胞数が1394/3μlで,多核球が53%を占め,細菌性髄膜炎と診断された.抗生剤の投与が行われたが,入院6日後の髄液細胞数は2904/3μlと減少せず,やはり多核球が多いということであった.このときの髄液を利用して,前回報告した髄液細胞採取方法により細胞を採取し,ライト染色(武藤薬品製)を施し検鏡したところ,好酸球が62%見られた.すなわち,多核球のほとんどは好酸球であった.髄液とサムリン液を白血球メランジュールで混合し,フックスローゼンタール計算板上で髄液細胞数を算定すると同時に,髄液細胞組成がただ単に多核球が優位か,単核球が優位かの検討に終われば,診断を誤る危険性のあることを痛感した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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