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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻1号

1979年01月発行

文献概要

今月の主題 免疫複合体 技術解説

Clq結合試験

著者: 桜井徹志1 小山哲夫1 田村昇2

所属機関: 1筑波大学臨床医学系内科 2筑波大学基礎医学系・免疫

ページ範囲:P.7 - P.18

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 Clq結合試験というのは,免疫複合体を検出するのに,Clqが免疫複合体に結合する性質を利用した方法である.すなわち,Clqは補体第一成分(C1)のsubcomponents,Clq,Clr,Clsの一つで,免疫複合体を認識してこれに結合するという特性を持っている(図1).この特性を免疫複合体の検出に利用するわけである.
 これには表1に示すごとく,幾つかの方法が考えられている("Clq結合試験"が,後に述べるポリエチレングリコール沈殿法を意味することがあるので注意を要する).Aの沈降反応は,Clqと免疫複合体の結合反応を寒天内で行わせ,免疫複合体の存在を沈降線として見ようというものであり,Bのラジオイムノアッセイを用いる方法は,125Iを標識したClqまたは抗ヒトIgG抗体を免疫複合体と反応させ,免疫複合体に結合したClqまたは抗ヒトIgG抗体の放射活性から免疫複合体量の多少を知ろうとするものである.この方法は鋭敏でaggre-gated IgG (aggr.IgG)換算量で数μg/mlの免疫複合体量を検出できるという.まず,これらの試験に用いられるClq精製法の実際,アイソトープ標識法の概略について述べた後,各々の方法の手技につき説明していきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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