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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻1号

1979年01月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・25

半分子IgA型骨髄腫

著者: 河合忠1 櫻林郁之介1

所属機関: 1自治医科大学・臨床病理学

ページ範囲:P.57 - P.61

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はじめに
 半分子IgA (half-molecule IgA,HM IgA)は正常ヒト血清中には存在しない異常免疫グロブリン分子で,極めてまれなものである.
 免疫グロブリン分子はよく知られているように,通常1対のH鎖と1対のL鎖から成っており,そのH鎖間及びH鎖L鎖間は二重イオウ結合(disu1-fide bond,—S-S—)で連結されている.この構造は各免疫グロブリンクラスに共通であるが(一部例外はあるが),HM IgAは構造上,1個のH鎖であるα鎖と1個のL鎖とから成り立っており,ちょうど真ん中から二つに割れてしまった異常免疫グロブリン分子ということができよう.更にこれらHM IgAはただ2分割されただけではなく,今まで報告された症例のすべてにおいて,α鎖のポリペプチド鎖のどこかに欠損があり,そのために完全な分子となりえないことがほぼ確実視されている(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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