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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻10号

1979年10月発行

文献概要

新しいキットの紹介

免疫拡散法によるサイロキシン結合グロブリンの測定とラジオイムノアッセイとの比較

著者: 小豆沢瑞夫1 三木哲郎1 中谷清美2 網野信行2 宮井潔2 熊原雄一1

所属機関: 1大阪大学第4内科 2大阪大学中央臨床検査部

ページ範囲:P.1071 - P.1072

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はじめに
 サイロキシン結合グロブリン(以下TBG)は血清中の甲状腺ホルモン結合蛋白のうち最も重要なものである.血中甲状腺ホルモン(T4,T3)は大部分がTBGに結合しており,わずかに遊離T4,遊離T3が甲状腺ホルモンとしての生物学的作用を発揮すると考えられている.血清TBG濃度は遺伝学的支配や,TBG産生臓器である肝の実質的障害,性ホルモンなどにより変動する.臨床検査で測定されるT4,T3は総T4,総T3であり,TBG結合及び非結合(遊離)両者を含んでいる.これは甲状腺機能により変動するが,結合蛋白(TBG)の変動によっても変動する.したがって甲状腺機能を正しく評価するにはTBGによるT4,T3の増減を補正して遊離T4,遊離T3を推測する必要がある.
 TBG濃度は従来,131I-T3レジン摂取率やTBG飽和度の測定による間接的な方法によって概測されてきたが,最近TBG濃度を直接測定する方法が開発され注目されている1〜3).今回,我々は免疫拡散法によるTBG測定キットを試用する機会を得たので,RIAによる測定結果4)と比較検討を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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