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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻11号

1979年11月発行

文献概要

特集 免疫学的検査の進歩 Ⅰ.免疫不全 リンパ球検査

3.培養試験—2)リンフォカイン—特にマクロファージ遊走阻止因子(MIF)と白血球遊走阻止因子(LIF)の測定法

著者: 中川潤1 杉山知行2 井村裕夫2

所属機関: 1国立療養所宇多野病院第4内科 2京都大学第2内科

ページ範囲:P.1114 - P.1119

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 Dumondら1)によって命名されたリンフォカイン(LK)は特異的な抗原刺激,すなわち特定の抗原に感作された個体より取り出されたリンパ球が,同じ抗原との再接触によって活性化され産生する可溶性の生物学的活性物質の総称である.LKは抗体ではない.通常の免疫グロブリンとは種々の物理化学的性質を異にする.例えば40%飽和硫安で沈殿することはない.すなわち一般に低分子量である.また抗体と違う大きな特徴は免疫学的特異性を欠いていることである.すなわち感作リンパ球が抗原と特異的に反応してLKを産生するが,いったん産生されたLKはその生物学的活性を発揮するのにもはや抗原を必要としないのである.
 なおLKは今日ではPHA, Con Aなどのマイトジェン,抗原抗体複合物,移植抗原などの刺激による非特異的なリンパ球の活性化反応によっても産生されることが明らかになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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