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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻11号

1979年11月発行

文献概要

特集 免疫学的検査の進歩 Ⅱ.感染症

感染症の血清学的診断

著者: 水岡慶二1

所属機関: 1東京大学・中検

ページ範囲:P.1162 - P.1163

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 近年,数多くの化学療法剤が普及し,抗生物質に感受性のある細菌性の疾患やその他の病原体による疾病などに大きな変貌が起こってきた.更に,免疫抑制剤の使用増加も感染症の様相を変貌させるのに拍車をかけた.例えば,かつて梅毒の血清学的診断法と言えばいわゆるWassermann反応という名前で代表され,臨床検査室における血清反応の大きな部分を占めていた.しかし梅毒なる疾病が激減し新しい感染がごくまれになってしまった今日,梅毒血清反応の臨床検査における重要性は昔ほど大きなものではなくなった.同じことは,腸チフスのWidal反応にも言える.
 一方,肝炎ウイルスによる肝炎やイヌやネコなどのペットから感染するトキソプラズマ症などの血清学的診断は,新しい問題としてクローズアップされねばならない.また,妊娠初期に母体が感染すると種々の先天性奇形児が生まれる危険性が高いという意味で,風疹の血清学的診断も注目を浴びている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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