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特集 免疫学的検査の進歩 Ⅱ.感染症
溶レン菌感染症
著者: 長田富香1
所属機関: 1東京女子医科大学,病院中検
ページ範囲:P.1172 - P.1175
文献購入ページに移動 溶レン菌感染症と言われる疾患の中には,一次症として扁桃炎,咽頭炎,喉頭炎,肺炎,髄膜炎,敗血症,心内膜炎,腹膜炎,骨髄炎,膿痂疹などの化膿性炎症性疾患,あるいは溶レン菌の菌体外毒素による病像を示す丹毒,猩紅熱など多彩な疾病が挙げられるが,特に重要なことはこれらの感染から1〜4週の潜伏期を経て二次続発症としてリウマチ熱,急性糸球体腎炎,リウマチ性心疾患などの予後に重大な影響を与える疾病の発生を予測しなければならないことである.
一次症の診断に当たっては溶レン菌の分離同定が有力な手段となるが,二次症の発症時には既に溶レン菌は咽頭などに存在しないことが多く,したがって数種類の溶レン菌抗体の測定を併用して,経時的に抗体価の上昇を観察し,免疫血清学的にリウマチ熱,急性糸球体腎炎などの診断が行われなければならない.
一次症の診断に当たっては溶レン菌の分離同定が有力な手段となるが,二次症の発症時には既に溶レン菌は咽頭などに存在しないことが多く,したがって数種類の溶レン菌抗体の測定を併用して,経時的に抗体価の上昇を観察し,免疫血清学的にリウマチ熱,急性糸球体腎炎などの診断が行われなければならない.
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