icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻12号

1979年11月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・35

梅毒血清反応・1

著者: 緒方富雄1 徳永栄一2 原一郎3 阿部正英4 松橋直5

所属機関: 1東大 2日赤血液センター 3東京医歯大 4国立多摩研究所 5国立予防衛生研究所

ページ範囲:P.1390 - P.1395

文献購入ページに移動
 我が国における梅毒血清反応の開発研究は,我が国における臨床検査で特筆大書すべきものの一つではないかと私は考えております.その理由の第一は,この研究が非常にタイムリーであったということ.すなわち梅毒が爆発的な流行があった終戦前後の時期に開発が行われたこと.第二は,方法が初めから標準化され,その方法が全国に普及したということ.第三は全国的に統一されたこと.全国津々浦々に普及したので,日本においては梅毒血清反応の成績は比較がどこでもできる.東京にいても鹿児島との比較ができる.あるいは北海道の成績を新潟でも比較できる.多くの臨床検査の方法はいろんな所で別々な源泉から出たものですから,統一が非常に困難になって,いわば群雄割拠している形でありましたが,この梅毒血清反応に限ってはそうでなかったと言えます.
 ここに,この血清反応につき早くからお考えになっておられた緒方先生,そして緒方先生の門下生としてこの開発に協力した私どもが集まり,当時を思い出しながら,現在のいわゆるSTSがいかにして開発されたかを通常のEx Laboratorio Clinicoとは形を変えて座談会(全2回)の中でお話しいただいて,若い読者の参考にしていただければと考えております.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?