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今月の主題 脂質 技術解説
血中胆汁酸の測定法
著者: 眞重文子1
所属機関: 1東京大学病院中央検査部生化学
ページ範囲:P.129 - P.136
文献購入ページに移動 胆汁酸は肝細胞においてのみ特異的にコレステロールから生成され,主にグリシンとタウリン,その一部は硫酸,グルクロン酸と抱合された後胆汁中に排泄される.排泄された胆汁酸のほとんどは(約97%)回腸末端から吸収され,門脈を経て肝にもどり腸肝循環を行っている.この腸肝循環は極めて閉鎖的なので,正常人においては胆汁酸はほとんど大循環に漏れず,血液中には微量にしか存在しない.
例えば胆汁酸濃度は胆汁では極めて高く(約5g/dl),糞便中にもかなり排泄されているが(約500mg/日),血液中では1μg/ml程度で,尿中にもわずかしか排泄されていない(0.4mg以下/日).しかし肝疾患時には,肝細胞による摂取を逃がれて大循環の中に胆汁酸が逸脱して増加し,ビリルビンよりも鋭敏に肝傷害を反映するので1〜5),血中胆汁酸測定は有用な肝機能検査法として注目されつつある.
例えば胆汁酸濃度は胆汁では極めて高く(約5g/dl),糞便中にもかなり排泄されているが(約500mg/日),血液中では1μg/ml程度で,尿中にもわずかしか排泄されていない(0.4mg以下/日).しかし肝疾患時には,肝細胞による摂取を逃がれて大循環の中に胆汁酸が逸脱して増加し,ビリルビンよりも鋭敏に肝傷害を反映するので1〜5),血中胆汁酸測定は有用な肝機能検査法として注目されつつある.
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