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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻4号

1979年04月発行

文献概要

今月の主題 感染症 技術解説

リムルステストによる内毒素微量定量

著者: 丹羽允1

所属機関: 1大阪市立大学細菌学

ページ範囲:P.343 - P.348

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 グラム陰性菌内毒素は0.01μg/kg以下で強い発熱作用を示すほか,致死,骨髄懐死,白血球減少,補体系,凝固系の活性化など多彩な作用を示す.健康人では腸管菌叢の内毒素は吸収されても肝で解毒されるが,肝機能,腸管機能の阻害,感染巣の存在の場合には内毒素が血中に出現し,内毒素血症(Endotoxemia)となり,しばしば死亡率の高いショックを起こすことがある13).内毒素の定量が難しかったために,内毒素の病因論的意義の解明は遅れていたが,リムルステストが出るに及んで内毒素の臨床的研究は急速に進展してきた.
 カブトガニの血球抽出液のゲル化反応を利用するリムルステストは,簡便で感度の高い内毒素定量法として医学,薬学,環境衛生の分野で広く利用されており9),1978年10月ウッズホール海洋生物学研究所で開かれたカブトガニの生物学医学的利用シンポジウム14)の印象でも,リムルステストの声価は定まったと言える.FDAでは厳重な規制の下に,生物製剤や医療器具の内毒素汚染チェックには,ウサギ発熱性試験に代わるものと認めてゆこうとしている.確かにリムルステストは簡便で感度の高い内毒素検出法であるが,定量性を高め,臨床試料の内毒素を正確に測定するには未解決の問題も多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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