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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻6号

1979年06月発行

文献概要

今月の主題 組織検査の進歩 技術解説

骨組織標本作製法—特に大割標本を中心に

著者: 宮下剛彦12 尾島昭次2 丸本雅夫3 古田伸行3 川村亮寿1

所属機関: 1岐阜県立下呂温泉病院臨床検査科 2岐阜大学・第2病理 3岐阜大学病院中央検査部病理

ページ範囲:P.562 - P.568

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 骨組織は膠原線維性の基質と,カルシウムを主体とした無機物質の沈着によって構成されている極めて硬い組織であるため,通常の方法により顕微鏡標本を作製することは不可能である.したがってまずカルシウムを除去(脱灰操作)し,薄切しやすくする必要がある.また染色効果を上げるためには標本をできるだけ小さく切り出し,短時間で脱灰が完了するようにしなければならない.そのために,手術により切断あるいは摘出された大型骨組織標本は一般に小さく切り出され,それによって病理組織学的診断がなされている場合が多い.
 しかし,骨組織は部位により質的,構造的に一様ではなく,かなり変化に富んだ組織であるので,骨病変の組織像は切り出された部位によって異なる場合が少なくない.骨肉腫を例にとるならば,1個の腫瘤は単一の腫瘍性病変だけでなく,反応性の類骨や骨の増生,壊死,出血などが加わり,複雑な像を呈する場合が多い.したがって小さい標本では病理組織診断に際し好ましくない結果を生ずる恐れがあり,手術材料においては大割標本作製が望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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