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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻8号

1979年08月発行

文献概要

今月の主題 細菌性食中毒 技術解説

細菌性食中毒における推定原因食品の検査の実際

著者: 前島健治1 仲西寿男2

所属機関: 1神戸市環境保健研究所 2神戸市環境保健研究所細菌部

ページ範囲:P.763 - P.771

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 食中毒が発生したとき,患者由来の検体について病原菌を検索することはその食中毒の原因菌を決めるための検査であり,また推定原因食品やその食品に関連する器具などの病原菌検索は汚染経路を明らかにするための検査である.
 食中毒の患者検体から原因菌が検出できたとされる事例,つまり病因物質の判明した事例は全国の食中毒で70%前後である.原因食品から患者株と同様の菌が検出される事例は,数値として挙がってないが,恐らくは70%よりはるかに少ないだろう.理由としては,推定原因食品が残されてない場合もかなりあろうし,それら食品などが採取できたとしても,原因食品と推測した食品が本物でなかったり,保存中に病原菌が死滅したり,また適切な検査方法がとられなかったなどの場合も挙げられる.これらの中で"適切な検査方法がとられたかどうか"は,検査の成功を期するうえで基本的な条件となる問題であり,食品検査の標準化は国際的にも長年懸案となっている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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