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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻8号

1979年08月発行

文献概要

研究

脳波記録に混入するアーティファクト"心電図"の頭部回転による混入様態の変化

著者: 阪本実男1

所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経科脳波室

ページ範囲:P.821 - P.825

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はじめに
 一般に血圧の高い人や肥満者などを耳朶単極誘導法で脳波記録すると,アーティファクトとして心電図のR波が混入しやすい1,2).この見掛け上の現象は心臓の起電力が大きく,その電気軸が横位をとることに起因し,頭部と耳朶間に心起電力の電位差が生じると考えられる3,4).この棘波と誤りやすいアーティファクトを軽減する方法に体位の変換があるが,筋電図が混入するなどの障害があるので実用に適さない.ところが最近,一条は頭部を水平に右方へ60゜回転した位置にすると,このアーティファクトが軽減できることを発表した5)が,その後報告を見ないので詳細は明らかでない.また本法は,被検者が無理な姿勢となるので筋電図が混入しやすい.
 著者はこの考えを更に発展させる目的で,頭部を水平に左右の方向へ回転させた位置で,耳朶単極誘導法の脳波記録に混入する心電図の変化様態を,定量的手法で計測して明らかにし,その混入様態が変化することについて検討を試みた6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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