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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻9号

1979年09月発行

文献概要

研究

硫化銀膜電極による髄液蛋白定量

著者: 森下芳孝1 中根清司1 高阪彰1

所属機関: 1名古屋大学病院検査部

ページ範囲:P.936 - P.939

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緒言
 従来より,髄液蛋白定量においては尿蛋白定量と同様の方法が多く採用され,ズルホサリチル酸1)とかトリクロロ酢酸2)による比濁法が一般的である.これらの方法は蛋白組成により濁度が異なり,髄液としては多量の試料が必要であり,かつ測定時間も比較的長く,種々の問題が指摘されている.その後,ズルホサリチル酸に硫酸ナトリウムを添加し,蛋白組成による濁度差をなくしたMeulemans2)法が報告されたが,感度が非常に低いため髄液1.Omlを必要とし,濁り形成後の安定性が悪いなどの問題がある.また,最近Bradford3)は,クマシーブリリアントブルーG250を用いた色素法を報告しているが,試薬ブランクの発色が大きいこと,定量できる範囲が非常に狭いことなどが問題である.
 1974年にAlexanderら4,5)は,硫化銀膜電極を用いて蛋白定量を試みており,著者らは彼らの方法を追試検討し,髄液の蛋白定量を応用した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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