icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻12号

1980年11月発行

文献概要

新しいキットの紹介

Acyl-CoA oxidaseを用いる遊離脂肪酸測定キットの使用経験

著者: 林由扶子1 石川けい子1 橋本寿美子1 仁科甫啓1

所属機関: 1虎の門病院臨床化学検査部

ページ範囲:P.1569 - P.1572

文献購入ページに移動
はじめに
 血清中の遊離脂肪酸(Free Fatty Acids;FFA)の測定には,大別してDole1)に始まりGordon2),Trout3)らによって開発された抽出滴定法と,FFAの金属錯塩を有機溶媒で抽出後発色させる比色法とがあった.後者には,銅塩を用いるDuncombe法4),Itaya-Ui法5),コバルト錯塩を用いるNovak法6),Elphick法7)があり,臨床化学分野で日常検査法として用いられてきたが,操作が繁雑で長時間を要し,有機溶媒を用いるなど多くの問題があった.また血中FFA濃度は脂肪代謝や糖代謝,内分泌性の影響を敏感に受け,寒冷,恐怖,外傷,ショックなど生体の各種刺激で変動するため測定回数を市ねる必要があり,より簡便な測定法が望まれていた.
 最近,これらの問題点を解消した酵素法8,9)が登場したが,依然迅速簡便性などの点で聞題がみられた.今回新しい酵素法としてAcyl-CoA oxidaseを用いる比色法(日本商事,遊離脂肪酸測定用ACS-ACO酵素法試薬キット;NEFAキット-S)が開発された.これを検討する機会を得たのでその結果を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?