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文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻2号

1980年02月発行

文献概要

今月の主題 集団検診の技術 総説

集団検診におけるデータ処理

著者: 古川俊之1

所属機関: 1東京大学・医用電子研究施設

ページ範囲:P.157 - P.163

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 集団検診の目的はその発祥にさかのぼって考えれば明らかなように,疾病の早期発見である.第一次産業革命によって人口の都市集中,集団生活が急速に増えるに伴って,慢性伝染性疾患である結核が重大な脅威として社会問題化したことは,歴史に明らかなところである.この疾病が学校教師や軍隊に波及するに至って,検診,早期発見,療養という手順が定着してくるのである.我が国をはじめとする工業先進国では結核は過去の問題となって久しいが,それに代わって成人病が医療のみならず社会の生産性と関係ある要因として注目されるようになった.人間社会の行動は以前の成功例のパターンを踏襲しがちであるが,成人病や幼小児の疾患の対策として,結核のための集団検診のパターンがとられていることは興味深い.
 いずれにせよこのことから明らかなように,集団検診の目的は疾病の早期発見である.したがって集団検診が有用か否かは疾病の早期発見に役立つか否かで判断できる.集団検診の様々な技術や補助手段についても,同じ評価基準が当てはまるはずである.以下ではこのような見方から,集団検診におけるデータ処理の在り方を考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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