文献詳細
今月の主題 肝疾患
カラーグラフ
文献概要
最近種々な染色法を用いてホルマリン固定,パラフィン包埋後の薄切組織切片上にHBs抗原を証明する試みがなされているが,いずれも一長一短で更に新しい方法を期待する余地が残されているように思われる.私どもは,一般には比較的よく知られている色素でありながら,今日までこの点では何ら注目されていなかったビクトリア青(VB)によってHBs抗原が青染することに気付き,ケルンエヒト赤(KE)で後染色することにより,赤と青という対照的な色の差によってHBs抗原を鋭敏に検出できることを見いだした.染色法は比較的簡単で安定性があり,生検材料でも容易に染め出せることを特徴としている.
掲載誌情報