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文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻5号

1980年05月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・41

Legionnaires' Diseaseの発見—1,000日目の報告

著者: 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所細菌血清

ページ範囲:P.565 - P.570

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レジオネラ症の誕生
 ベレビュー・ストラトフォドホテルは,アメリカのフィラデルフィアの街中にあり,1904年の開設以来増改築を重ね,現在では18階建てで約700床を有する大ホテルの一つである.このホテルを中心会場として,1976年7月21〜24日にかけて,米国在郷軍人会のペンシルバニア支部大会が開かれた.各種の会議やパレード,夕食会,ダンス会などがホテルのロビーを中心にして催され,全参加者は約4,000名を数えた.
 ところがこの会議に出席した人たちの間で,発熱と呼吸器系症状を伴った患者が続発しているとのうわさが広がった,会議から約1週間後の8月2日にこれに気付いたペンシルバニア州の衛生部が米国伝染病センター(CDC)と協力して調査に乗り出した.これがレジオネラ症発見の第一歩であった.わずかの情報に耳をかし疑い,そして調査を決断した注意深い研究態度が,今世紀の細菌学史上特記すべき大発見の契機となったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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