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研究
高速液体クロマトグラフによる生体試料(血清,唾液,髄液,尿)中の抗てんかん薬濃度測定法
著者: 原口宏之1 畑実2
所属機関: 1北九州市立総合療育センター小児科 2北九州市立総合療育センター薬剤部
ページ範囲:P.587 - P.591
文献購入ページに移動抗てんかん薬の使用法は近年著しい発展を遂げてきたが,その基礎には適確な病型診断法の進歩や,新しい薬物の登場に加えて,投与薬物の体液中濃度測定法の開発により,薬物動態への理解が深まってきたことが挙げられる1-5).
薬物定量には,ガスクロマトグラフ法(GLC)6,7)や酵素免疫法(EMIT)7)など優れた測定法があるが,最近注目を浴びてきた高速液体クロマトグラフ法(HPLC)8〜10)は,原理的には非特異的な分析法ながら,条件の検討で妨害物質の影響は十分に排除でき,誘導体合成の必要性が少なく,試料が微量で済み,分析時間も比較的短いなどの特徴を持っている.同時に数種類の薬物の測定ができ,その代謝産物や生体内での相互変換などの動的な薬理作用の追求にも応用できる.
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