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今月の主題 赤血球の化学 技術解説
Glucosylated hemoglobins—HbA1cを中心に
著者: 稲田満夫1
所属機関: 1京都大学・第2内科
ページ範囲:P.656 - P.662
文献購入ページに移動 合成後(posttranslational)にヘモグロビンA(HbA)が糖成分とケトアミン結合したものがGlu-cosylated Hbである.これは陽イオン交換樹脂を用いて食塩水の直線勾配(linear gradient)によるカラムクロマトグラフィーを行うと,HbA1a1,HbA1a2,HbA1b及びHbA1cの順に溶出され,これらを一括してHbA1と呼ぶ.HbA1以外のHbAの主成分はHbA0と呼ばれている.HbA1のうちHbA1cが量的に最も多い.
近年,糖尿病患者血液でHbA1の増量が見いだされ,しかもそれが長期間の血糖コントロールの指標として有用であることが注目されてきた.HbA1の測定にはミクロカラムを用いたキットが発売され,広く日常臨床に応用されている.最近,更にHbA0,血清蛋白,その他の組織蛋白でもGlucosy-Iationの行われていることが見いだされ,糖尿病合併症との関連が注目されている.これらのGluco-sylated proteinの検出には,それを酸性で加熱脱水し放出される5-ヒドロキシメチルフルフラルを5-チオバルビツール酸で検出する比色法が応用される.
近年,糖尿病患者血液でHbA1の増量が見いだされ,しかもそれが長期間の血糖コントロールの指標として有用であることが注目されてきた.HbA1の測定にはミクロカラムを用いたキットが発売され,広く日常臨床に応用されている.最近,更にHbA0,血清蛋白,その他の組織蛋白でもGlucosy-Iationの行われていることが見いだされ,糖尿病合併症との関連が注目されている.これらのGluco-sylated proteinの検出には,それを酸性で加熱脱水し放出される5-ヒドロキシメチルフルフラルを5-チオバルビツール酸で検出する比色法が応用される.
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