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文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻6号

1980年06月発行

文献概要

今月の主題 赤血球の化学 総説

赤血球膜の臨床病理

著者: 八幡義人1

所属機関: 1川崎医科大学・内科

ページ範囲:P.663 - P.671

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正常赤血球膜の構造と機能1〜6
 ヒト成熟赤血球は中央のくぼんだ円板状(biconcave disc形)をしており,無核である.骨髄中に存在する赤血球の幼若型である赤芽球段階では,このくぼみは認められずに単に円板状(discoid)をしているが,網状赤血球の段階より更に成熟が進むと,このくぼみが生ずるようになる.
 赤血球断面を電顕的に観察すると,赤血球膜は二重層から成ることが分かる.すなわち,厚さ約25Åの二つの暗層をはさんで中央に厚さ約30Åの明層が認められる.走査電顕像では赤血球膜外表面は比較的平滑に見えるが,若干の皺壁が認められる.これを更に凍結剥離法により観察すると,膜外表面には直径約60〜90Å大の円形の小構造物が比較的均等に散在しており,この一部は上記の膜二重層を貫いており,長さ数百Å,径40〜60Aに達するものも存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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